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90年代にカプコンから発売されていた格闘ゲームです。
ダークストーカーと呼ばれる個性豊かなモンスターたちが活躍します。
続編を待ち望むファンも多いですが音沙汰なし。
■デミトリ×モリガン
ご機嫌斜めのデミトリをからかうモリガン。和姦もの。
タイトルは思いつかないため放置。
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鳥にしては大きすぎる羽音に、デミトリ・マキシモフは顔を上げた。
大きく開け放たれた窓の向こうに、人影が見えた。
一度見た者は決して忘れる事が出来ないであろう、美しい女のシルエットが……。
キイキィ、と蝙蝠たちが騒ぐ。不愉快な鳴き声だ。
彼は、飲みかけのワインが入ったグラスを窓枠に置く。
満月を背景にゆっくりと近づいてきた女は、デミトリの不機嫌など知る由もない。 長い足を伸ばして窓枠に降り立つと、軽く片目をつぶった。
「はぁいデミトリ。お元気?」
長い緑の髪を束ねもせずに背中に流し、おどけたように手を振るその姿に、吸血鬼は顔をしかめる。
「──今更、何の用だ」
低い声で尋ねる。普通の女性ならば、目が合った瞬間にでも心臓が止まってしまいそうなほど、恐ろしい表情だった。
だが、淫魔である女は動じた様子もなく、軽く肩を竦める。
「先日のお詫びがしたくて。ほら、あなたに恥をかかせてしまったでしょう?」
苦い記憶に、デミトリの眉間には皺が寄った。
子供の喧嘩とは違う。単なる殺し合いでもない。ダークストーカーズの頂点に立つ者を決める、選ばれし者だけが集う神聖なる戦い。
この女は、あろうことか直前になって、その勝負をすっぽかしたのだ。
──ヘイ、デミトリの旦那ぁ。姐さんはまだ来ねえのかイ!?
──私も暇ではないのだ。悪いが、そろそろ帰らせてもらおう。
──ケッ、すっぽかされたんじゃないのぉ?女一人呼びつけられないなんて、バレッタおかしくて涙が出ちゃーう♪
仲間たちの嘲笑と、怒りに震える心とを抑えながら、それでも、プライド故に怒鳴る事もできず。
最上級のもてなしをしてお帰りいただいた、己の滑稽さを思い出し、拳が震える。
『誇り高い吸血鬼(ヴァンパイア)が、あんな小娘如きに翻弄されるとは……!!』
「あの夜は、そんな気分になれなかったのよ。許してデミトリ」
喉に甘い息が吹きかかるのを感じて、ふと我に返った。
いつの間にかモリガンが、デミトリの厚い胸板にしなだれかかり、顔を近づけてきたのだった。
「お前の野心とはその程度か」
モリガンの性格はともかく、その実力については、彼は大いに認めていた。
だからこそ、正々堂々と場所を設けて対戦を挑んだのだ。
「野心?」
モリガンはふふんと鼻で笑った。
「そんなもの、犬にくれてやれば。あたしが求めているのは刺激…
あなたという好敵手を倒した後、退屈な余生を送るなんてまっぴらだわ」
「私を、倒すだと。随分と見くびられたものだ」
その美しい顔を苦痛に歪めさせ、足元にひれ伏させたいと思ったのは、一度や二度のことではない。
しかしこの女は、まるでデミトリとの勝負を避けてでもいるかのように奔放に飛び回り、戦いどころか、足跡を捕まえる事すら困難だった。
そのくせ、こうやって自分からは、気まぐれに近づいてくる。殺される心配はないと高をくくっているのか──それとも、
退屈を何より嫌うこの種族は、死すらもひとつの娯楽としてしか考えられぬのか。
「ふふ。やっぱりあなた、怒った顔の方がセクシーよ。ゾクゾクしちゃう」
挑発的な台詞を吐くと、モリガンは陶器のように白い人差し指をぺロリと舐めた。
「苛めてみたくなるわ……」
「ふざけるな」
彼は女には紳士的であったが、モリガンを前にすると、何故かひどく神経が逆撫でされる。
こんな思いを、他の女に抱いた試しはない。
「あはははっ」
甲高い嬌声に苛立ちながら、男は拳を繰り出した。闇の女はひらりとそれをかわし、 少し離れた場所に降り立つ。
開かれた窓から、冷たい突風が吹き込んできた。
同時に、身体にまとわりついていた無数の蝙蝠が、一斉に離れた。
細い樹木から葉が剥がれ落ちるように、モリガンの豊かなプロポーションを覆っていた衣服が姿を消し、
サキュバスである彼女の全身があらわになる。
月明かりに照らされた彼女の裸体は、この世の物とも思えぬほどに美しかった。
戦いの予感に、うっすら上気している乳房、抱きしめたら折れそうなほどに細い腰、白く伸びた脚……。
だが、ただ一箇所だけ、隠されている部分があった。
なだらかな下腹部、臍のすぐ下──本来ならば、彼女の髪と同じ色の茂みで覆われているはずの部分。
そこに、蝙蝠が一匹、苦しげに羽をばたつかせながら、張り付いていた。
意図的にそうしたのか、何らかの理由によって彼だけが残ったのか。蝙蝠相手に『彼』というのも妙な気がするが、日頃からこの我が儘娘に使役されている立場を思うと、同情を禁じ得ない。
脚と脚が交わるところ…女体の中で最も神秘なその部分が、隠れている。そこだけが…見えない。
意識した瞬間、デミトリの身体は硬直した。
──馬鹿な。今、自分は何を考えた?
「ここを、見たい?」
まるで彼の欲を見透かしたように、モリガンが笑った。
何を、と彼は乾いた声を出した。
女の秘所など、これまで飽きるほど見てきた。本能の赴くままに生き血を啜り、肉体をかき抱いた。
気に入った美女だけを残し、気まぐれに永遠の命を与え、奴隷とした。
闇の世界に生きる者なら当たり前の行為だ。
いくら美しかろうと、こんな小娘に欲情するほど、若くも青くもない。
……そう思っていたはずだった。
だが、実際。
デミトリは吸い付けられる様に、モリガンのその部分から視線を外せないのである。
「ねえ……見たいんでしょう?」
妖しい声が、耳朶にまとわりつく。
「誰が、淫魔の汚らわしいモノなどに……」
辛うじて喉から搾り出したものは、まるで自分の声ではないようだった。
モリガンは、彼の返事などどうでも良いと言わんばかりに、半裸のまま窓枠に座り込んだ。
窓際に無造作に置かれていたグラスを見て、何かを思いついたような笑みを浮かべる。
「見て、デミトリ」
彼は見ずにはいられなかった。
両膝を外側に開き、徐々に股を開いていくサキュバスの姿を………。
月光に照らされた床に、M字の形に開いた脚の影が出来ていた。
「そう、よく見て…あなただから、見て欲しいの」
その台詞を、今宵は何人の男に言ったのだろう。
彼女の手には、先ほどデミトリが置いたグラスが握られていた。
グラスを傾けると、底の方にほんの少しだけ残っているワインが、開かれた脚の間に流れ落ちていった。
キイィ、と蝙蝠が苦しげに呻いた。ワインが黒い羽に染み渡り、それでも離れる事は許されない。
その暴れる羽を撫で、モリガンは優しく声をかける。
「だめよ、まだ。デミトリが見ているんだから」
蝙蝠は、熱いアルコールの刺激を受けながらも、未だ彼女の秘所を覆い続けている。
モリガンはさらにグラスを傾けた。紅い酒が、とろりと内股を伝って、足首に流れていく。
「あ、ん……」
まるで生娘のような呻き声が、唇から漏れた。床に染みていく液体も、破瓜の血のように紅い。
「……っ、あんっ」
くちゅりと湿った音が響いた。
モリガンの指が、蝙蝠ごと秘所に食い込んでいた。
離れる事を許されていない『彼』は、キイィキイィ、と鳴く。
そのまま女の中に押し込みそうな勢いで、モリガンは小動物を弄り続ける……。
「あんうっ……は、はぁっ……ん、うぅっ」
額に前髪を貼りつかせ、頬を上気させて、腰をせわしなく動かす。
処女のような、決して処女では有り得ぬ女が、淫らな姿で喘いでいる。
やがて、ワインとはまた違った香りが、デミトリの鼻孔をくすぐった。何の香りであるかは考えるまでもない。
極上の餌を前に、彼は自問する。
これが例え罠だったとしても、充分に楽しんだ後で、逃れる手段ならいくらでもある。
本当は、心の底で、望んでいた事ではないのか。
美しく、生意気なサキュバス。
この小娘の生き血だけでなく、両脚の付け根から滴り落ちる聖水も、啜って飲み干す事が出来たら……。
「あっ…うんん、ッ!」
女の手から離れたグラスが、床に当たって砕ける音がする。それは、デミトリの理性が砕ける音にも似ていた。
「逃がしてやりなさい」
一歩前に出たデミトリは、自慰にふける女の手首を掴んだ。
虚ろな目で見上げてくる女の、匂いたつ部分にそっと触れる。
手探りで位置を確かめると、もう用はないとばかりに、蝙蝠を毟り取った。
「あう……!!」
陰毛ごと剥ぎ取られそうな痛みに、モリガンがのたうつ。それすらも演技であると判ってはいたが、
欲望は止める事は出来ない。
手の中で暴れる生き物を、無造作に闇に放つ。
秘所から解放された蝙蝠は、しばらく二人の周囲を飛んでいたが、やがて夜空に吸い込まれるように消え去った。
一度だけデミトリの方を振り返ったように見えたのは、気のせいなのか。
「あっ……ふい、う…」
蝙蝠の消えた方角を見守っていた彼は、その声に再び視線を戻した。
外気に晒された女の部分が疼くのか、モリガンは淫靡な肢体をくねらせ、未だそこにいる。
隙だらけの、無防備なその姿───全く、吸血鬼を舐めているとしか思えない。
「それで、私を誘っているつもりかね」
デミトリは逞しい腕を伸ばし、女の顎に手をかけた。
上向かせると、モリガンの唇が僅かに開き、前歯の隙間から紅い舌が覗いた。
「詫びがしたいと言ったな。『これ』がそうか。下らんな……お前の体はその程度の価値なのだと、自ら認めたようなもの」
紳士を装ってはいても、下半身の欲望は既に、隠しようがないほど膨らみつつあった。
それでも、あの時と同じ、行き場のない苛立ちが彼を阻み、彼女を腕に抱く事を躊躇わせていた。
彼は、モリガンに対して複雑な思いを抱いている。悲しい、とも、憎い、とも違う。歯痒い、という感情が最も近いかも知れない。
その気になれば魔界を統べることも出来るほどの魔力を持ちながら、何故下賎な人間の男と進んで交わろうとするのか。
無論、そういう種族だから、という答えは、理性として存在する。だが、感情がそれを否定するのだ。
他人の生き方など、どうでも良かった。
戦って破れた者は、強者に屈するのは当然であるし、助命のために媚びるのも本人の自由だ。
だが、モリガンにはそうあって欲しくない。
この女が誰かに、自分以外の誰かに膝を折る姿など、想像も出来なかった。
「自分の価値は自分が決めるわ………」
吐息のような囁きとともに、モリガンの顔が近づく。細い指が、デミトリの顎に絡んだ。
「あなたが、その程度だと思うのなら、そうなんでしょう?」
違う、と言いかけた彼の口を、モリガンの唇が塞いだ。反射的に目を閉じた彼の後頭部に、しなやかな手が回りこんだ。
生温かな舌が口内を弄ぶ。デミトリは特に抵抗らしい抵抗はせず、その動きを受け入れた。
粘膜が擦れあう、湿った音が室内に響く。
女は、この時点で勝利を確信していたに違いない。今まで彼女の思い通りにならなかった男など、存在しなかったであろうから。
その傲慢こそがモリガンの長所であり、欠点でもある。
(………尻の青い、小娘が)
唇を吸われながら、デミトリは薄く笑った。懸命に誘惑してくるその姿を、可愛らしいと思ってしまう自分が情けなく、同時に愛しい。
(自分が見てきた男たちが、全てだとでも思っているのか。私を誰だと思っている)
欲情はする。だが、それだけでは負けた事にはならない。屈するべきなのは自分ではなく、この女の方だ。
彼は観念した振りをして、そっと女の腰に手を回した。同時に、モリガンの白い頬が、内側から膨れ上がった。
「───んうっ!?」
それまで、支配の喜びに浸っていたモリガンの瞳が、かっと見開かれる。
反射的に唇を離す。
「な……に?」
信じられぬものを見るように、しかし半ば恍惚とした表情で見つめるモリガンに、彼は歪んだ笑みで答える。
「吸うのは好きだが、吸われるのは慣れないのでね。──失礼、レディ」
慇懃な口調で告げると、もう一度唇を押し付ける。相手は離れようともがくが、今度はそれを許さない。
「んぐう……っっ」
電流に打たれたように、女の動きが一瞬止まる。安心させるように後ろ髪を撫でてやり、その動きとは裏腹に、内側では激しく責めた。
「ん、んぐう、んんっ、んぬっ」
息苦しさに、鼻の頭に皺が出来るほど悶える彼女の口内を、デミトリの巨大な舌が這い回った。
闇の世界の住人は、体の一部を変形させる事が可能である。外側からは見えないが、毒々しい蛇のような生き物が、
モリガンの歯茎をなぞり、喉頭の奥まで侵入して犯しているのだ。
「んぐうううっ、ふ、んん、んっ……はあっ」
薄桃色の口腔の、奥へ奥へと、舌が入っていく。喉と鼻の繋がる部分を、妖しい動きでなぞって行く。
ビクビクと彼女の肢体が痙攣する。人間であればとうに窒息死してもおかしくはなかったが、美しい顔には、紛れもない快楽が浮かんでいた。
月光の下、舌の異様に長い男が、全裸の痴女に覆い被さり、その口内を嘗め回す様は、傍から見れば異様としか言いようがない光景であった。
モリガンも彼も、人間に言わせれば『化け物』なのだろう。
だが化け物であるからこそ、普通の男には思いつかないような場所に触れる事が出来る。普通では考えられない快楽を与える事が出来る。
(………馬鹿らしい)
切なげに睫を震わせて求めてくる女を、デミトリは内心嘲っていた。
(何故わたしが、奉仕してやらねばならんのだ)
それでも、例え一瞬だけでも、この女が委ねてくれるのは誇らしかった。
敵としては扱われなくとも、少なくとも、『男』として見てくれてはいるわけだ。……複雑な気持ちではある。
外側からは見えぬ愛撫は、しばし続いた。
「は……ぁ…」
モリガンの声が小さくなっていくのにつれて、デミトリの動きも次第に弱まっていった。
舌も筋肉の一つであるから、動かすうちに疲労も蓄積してくる。
今は、彼女の味は殆どしなくなってしまった。要するに吸い尽くしたわけだ。
目を伏せると、モリガンの喉に絡み付いていた舌がゆっくりと巻き取られていった。
白い歯にぶつかりながら、デミトリの口の中に戻っていく。
終わりを悟ったのか、モリガンが慌てて首に手を回してきた。
その時にはもう、舌はもとの長さに戻り、互いの口も離れていた。
湿った唇が糸を引いて、名残惜しそうに二人を繋いだ。
モリガンは、肩で荒い息をしている。そうしていると、ごく普通の弱々しい娘に見えないこともない。
「どうした。もう終わりか、夜の女王よ」
ク、と笑いを漏らしながら、彼は背中を覆っているマントを脱いだ。
この女がサキュバスである以上あり得ないことだが、モリガンが本気で嫌がっているようなら、止めるつもりではあった。
彼は盛りのついた獣ではない。女の方から求めてくるのだから、仕方無しに相手をしてやっているまで。
「いいえ、まだよ」
凛とした声が、夜空に響く。前髪の隙間から、勝気な瞳が爛々と輝いている。
「夜はこれからなのだから。まだ───楽しませて」
「手を焼かせる……」
肩を竦めると、デミトリは床に膝をついた。マントを脱ぎ、その上に女の肢体を包むように横たえた。
淫らな期待に、モリガンの顔が紅潮する。
(まるで、飴玉を貰えると知った幼子のようだな)
いつもそんな素直な顔をしてくれていれば、デミトリとて、ここまで苛立つ事などないだろうに。
もっと苛めてやりたい気もするが、ここで臍を曲げられては折角の夜が台無しだ。
彼女の期待に応えるべく、太股に手をかけた。左右に割り開く。
遮るものがなくなり、露にされたサキュバスの欲望が、ぱっくりと口を開けていた。
花びらのような中心部から、かすかに酒の香りがする。デミトリは躊躇わず口付けた。
「んあっ……」
あらゆる部位が性感帯であるモリガンは、歯を食いしばり、刺激に耐えていた。
一時とは言え、彼女の大切な部分を占めていた
蝙蝠に軽く嫉妬しつつ、その残滓を消すように、舌で内部を探った。
やがて、匂い立つとろりとした液体が、繋ぎ目の部分から流れてきた。
床を濡らすその液体がワインではないことを、彼は知っている。
モリガンの、まだ酒に酔ったような表情が、下腹部を疼かせる。
彼は人差し指を口に含み、蕾の中心にそっと差し入れた。潤っているそこは、固い指をあっさり受け入れた。
そのまま、前後にゆっくり動かしていく。
「ん、はあっ……デ、ミトリ……」
彼女の口から自分の名を聞くたびに、下腹部が熱くなる。
先ほどからずっと、膨らんだまま行き場をなくしている彼の『そこ』に気づき、モリガンが目を細めた。
「ね……そろそろ、あなたのをちょうだい」
その声に、また一回り大きくなった自身に、気づかぬ振りをしてデミトリが答える。
「私のとは、何だね?」
「意地悪……」
モリガンは上半身を起こし、彼の両頬を包んだ。
額に軽く口付けする。彼女の足の間からは、デミトリの奉仕の結果が滴り落ちていた。
「もう、充分よ。私だけがいいんじゃ、不平等だわ……」
健気な口ぶりで語りながらも、モリガンの瞳は獲物を狙う豹そのものであった。
彼女の関心はもはや上のデミトリではなく、下のデミトリに注がれている。
それも悪くない、と彼は思った。当然、こちらにも自信はあるからだ。
「ねえ、いいでしょう?」
返事も待たず、モリガンは焦がれる眼差しで股間に手を伸ばしてきた。
身体にぴったりと張り付いたスーツを、ビリビリと音を立てて破る。先ほどまでのしおらしい面影は、完全に消えていた。
(どちらが襲われているのやら………)
いよいよサキュバスの本領発揮といったところか。デミトリは半ば呆れながら、小娘の痴態を見ていた。
「はっ、はあ……」
息を荒くし、いかにも高価そうな下着を、遠慮なくずり下ろす。
そこには、天井へ向けて大きくそそり立つ、デミトリの分身があった。ぴくぴくと脈打って、女の中に入るのを待ち焦がれている。
「は……」
ぽかんとした表情を浮かべ、固まっているモリガンに、デミトリはやや不安になった。
(まさか、小さいというのではあるまいな)
自分では自信があったし、今まで抱いた女たちも悦んでいた。
しかし、男同士で大きさを比べるなどという下品な真似はしないから、他の男のものがどの程度かは知らない。
魔力で大きくすることも可能だが、この場でやったらばれてしまう。
しばらくして、モリガンがうっとりした顔をして言った。
「いいわ………これなら、楽しめそう」
その言葉に、デミトリは緊張を解いた。モリガンが怪訝な顔をする。
「どうしたの?」
「いや……」
気まずさを隠すように、コホンと咳払いすると、デミトリはおもむろに腰を上げた。
「では、いいな?」
相手の顔を見れば、確認など不要と言えたが、念のため伺いを立てる。
期待に潤んだ瞳が、何よりの答えだ。デミトリはモリガンの尻を掴み、敷いていたマントから浮かせた。
そのまま、尻を高く持ち上げると、浮き上がっている彼女の中心に、一気に深く突き入れた。
「ああ……っ!!」
びくん、と女の体が撥ねた。挿入に慣れていないわけでもあるまいに、大した女優ぶりだ。
そのまま、空中で静止しようと力を込めた彼の腕が、ふと強張る。
(これは……!)
初めて知ったモリガンの感触に、デミトリは愕然としていた。
入れた瞬間はさほどでもなかったが、柔らかく包み込むような膣内は、これまで抱いてきた美女とはまるで違うものだった。
しっとりとして温かく、しかし確かな弾力を持って、彼に絡み付いてくる。
全てを絞りつくそうとでもするかのように、咥えて放さないのだ。
彼は、腕の筋肉を緊張させた。愛液で滑り落ちそうになる掌で、しっかと彼女の臀部を支える。
(これが、モリガンの…)
頭の中で、何度も思い描いてきた。
豊かな胸を背後から鷲掴みにし、足を開かせ、滾る欲望を注ぎ込む───男なら、誰もが願ってやまない夢。
しかしこの快楽は、デミトリの想像の域を遥かに越えていた。
あまりの心地よさに、もはや、後戻りの出来ない恐怖さえ感じている。
繋がった部分だけが熱を持って、どくどくと脈打ち、頭の芯まで甘い痺れが襲ってきた。
少しでも動いたら、魂ごと抜き取られてしまいそうだった。
癪だが、人間の男が骨抜きにされるのも頷ける。
思考が奪われる……ダークストーカーでなければ、正気を保っていられたか否かも怪しい。
動かない彼をじれったく思ったのか、モリガンが軽く腰を捻った。
正気に返ったデミトリは、はっと顔を上げる。
同時に、きゅっ、と締め付ける感触が彼を襲い、思わず呻きを漏らしてしまう。
「く………」
ここで出したら、彼の敗北である。
辛うじて迸りはしなかったが、自身の不甲斐なさに、彼は歯噛みした。
「どう?中でこすれて、気持ちいいでしょう」
嘲るように告げる女から、デミトリは顔を背けた。今のは、完全に不覚を取った。
吸血鬼のそっけない態度に、女は悪戯っぽく小首を傾げる。
「素直じゃないのね。まあ、そこが可愛いところなんだけど……?」
「黙れ」
余計な事を口にさせないため、彼はモリガンに接吻した。
繋がっているうちに、自分もあらぬ事を口走ってしまいそうで、弱る。
先ほど侵した口の中は、既に彼女本来の味が戻っていた。今度は舌を肥大させず、通常の大きさのままで、優しく唾液を啜る。
とろりとした蜜が舌に染み入る。美味だった。処女の生き血さえも、これほど甘美ではない。
唾液も、愛液も、彼女の体から流れるもの全てが欲しい。
全身を愛撫し、啜っていると、この世のあらゆる快楽を味わっているような思いさえする。
「ん……」
胸の上の突起を舐めながら、デミトリはじわじわと腰を進めていった。
進める度に、モリガンの胸が震動で揺れ、たぷんと音を立てる。
「そこよ……いいわ、突いて……あ、あんっ」
彼女の言う通り、腰を捻ると、中で擦れる。
どういう構造になっているのか、彼の動きに合わせて収縮しているようで、それがまた堪らない。
熱を帯びて痒くなっている部分を、ブラシで優しくマッサージされているような、心地よい感触があった。
半ばほどまで引き抜き、再び奥まで差し入れた。彼女の身体は、面白いくらいに素直に反応した。
「あ、あん…っ、うん、あっ、はあっ」
湿った肌と肌が擦れる音が、デミトリの私室に響く。
多くのダークストーカーを血の海に沈めてきた、無敵のサキュバス。その淫らな嬌声が、耳に残って離れない。
彼は、動きを止めた。
女の背中を窓枠に押し付け、逃げ場を封じると、両脚をさらに高々と上げて吊るした。
モリガンの長い脚は、今やM字どころかV字型に割り開かれている。隠すものなど何もない。
整った顔はデミトリの唾液に塗れ、大きな乳房には赤い手形がつき、開かれた脚の中心にはデミトリの体から突き出た物体が、深々と刺さっていた。
(無様な……アーンスランドの主ともあろう者が)
本当に無様なのは、小娘相手にのぼせ上がって、その身体に懸命に腰を打ちつけている己の姿なのだったが。
(だが、それも一興)
この時間だけは、デミトリのものだ。朝になれば彼女は、翼を広げて飛び立ってしまうだろう。
だからせめて、今だけは。
「カモン………」
囁いて、そっと腰を引き寄せる。モリガンは彼の意図を察し、唇の端を吊り上げた。
立ったまま奉仕を続けてきたデミトリが、初めて窓枠に腰を下ろした。
脚をハの字型に開き、腕を広げてモリガンを迎え入れる。
モリガンは彼と向かい合って、逞しい肩に腕を絡めた。そのまま、腰を落とし、ゆっくりと尻を沈めていく。
「う……」
彼女の体の重みが、直接的な刺激となってデミトリを襲った。
険しい顔で快楽の波に耐える彼を、モリガンは淫靡な微笑みを浮かべて見ている。
「気持ちがいい?今度はこちらから、動かしてあげる」
言うや否や、腰の動きを激しくする。ずっ、ずっ、と、皮膚が艶めかしい音を立てた。
激しい震動に、胸が上下に躍る。すると彼女はそれを避けるように、デミトリの胸に、乳房をしっかり押し付けてくるのだ。
胸と胸が擦れる感触に、半ば恍惚としていると、モリガンの顔が間近に迫った。
舌で頬を舐められたかと思えば、唇を塞がれた。その間にも、腰は激しく上下動を繰り返している。
「ね、見て。あなたのが、中で動いてるわ……」
目で示す先には、モリガンの臍がある。その下が、わずかに膨らんでいて、いかにも卑猥だった。
負けてはいられないと、デミトリはモリガンの腰を掴み、今度は左右に動かす。
「っ!」
新たな衝撃に、モリガンは顎をぐんと逸らした。
「ん、あううはっ…い、いいいいっ……」
悶える彼女の白い下腹部に、凹凸が生まれる。
自分のもので、彼女の中を掻き回している支配感に、彼は酔った。
これほど好き勝手に蹂躙しているというのに、モリガンの女の部分は少しも緩む事はなく、食いつくような強さを見せ付けている。
激しく締め付けられるたびに、まるで自分が受け入れられているかのような、心地よい錯覚に浸るのだった。
「ん、はああっ、ん、あうう、あぅっ」
気が狂いそうになるほどの快感が、二人の全身を苛んでいた。デミトリは声こそ上げなかったが、既に彼女の肉体の虜になっていた。
モリガンは、彼の唇のみならず、顔全体を舌で嘗め回し、鼻や耳の穴にまで熱い息を吹きかけていたのだ。
上も、下も、彼女の匂いと味と感触に支配される。
味覚、視覚、聴覚、嗅覚、触覚。全てを使って男を堕落させる女は、彼が心地よいと感じる部分を、本能で知っているようだった。
「く…う…」
そろそろ限界が近づいてきていた。女の奥深くに入ったものが大きく膨れ上がり、先端から勢い良く迸る。
モリガンが腰を大きく捻った途端、背筋に震えが走った。もはや、声を殺す事さえ出来ない。
頭の奥が真っ白になり、ただ一つのことしか考えられなくなる。女は、耳元に口を寄せて言葉を投げた。
「いいわ。出して……デミトリ」
───出す。
これほど簡潔で、かつ淫猥な言葉があるだろうか。
「おおおおおおおっ!!」
髪を振り乱し、獣のような雄叫びをあげたデミトリが、ひときわ強く、モリガンの中に突き入れる。
己の全身に絡みついて放さない、欲深き女の最深部に、出せる限りの全てを放った。
デミトリのものを根元まで飲み込んだ白い尻が、欲望を注がれた衝撃にガクガクと揺れた。
「いい、いい、いいわ、離さないでもっと……っ」
彼女の下半身の震えが、背中にくっきりと残った窓枠の跡が、射精の衝撃の凄まじさを示していた。
それでも、モリガンは泣き言一つ口にしない。それどころか、彼の全てを吸い尽くそうと、足をがっちりと絡めてくる。
(まだ、足りないとでもいうのか)
朦朧とした意識の中で、彼は思った。
恐ろしい女だった。どこまで欲しがるのか───彼女は、満足というものを知らないのだろうか。
くっ、と彼は歯噛みした。
射精はまだ続いている。既に彼の意思はそこになく、まるで他人の手で絞り取られているような違和感があった。
「もっと……もっとよ…」
満たしてやりたい、と心から思った。けれど、出来ない。満たされた瞬間、彼女は退屈で死んでしまうだろうから。
きつく抱き合ったまま、壊れるほどに互いを抱きしめて、二人は果てた。
「送ろう」
身なりを整えて立ち去ろうとするサキュバスの後ろ姿に、彼は声をかけた。
振り向いた彼女は、いつもと変わらぬ小悪魔めいた微笑を浮かべていた。
デミトリの申し出に、そっけなく手を振る。
「遠慮しておくわ。───もうじき朝日も昇ることだし、ね」
緑の髪が、明け方の風を受けてふわりと横に広がる。
夜の女王は、朝の爽やかな空気がお気に召さないらしい。
昨晩あれほど燃えた事が嘘のように、その顔は穏やかであった。
何故だか、彼女がそのまま消えてしまうような予感がして、デミトリは思わずその腕を掴んだ。
「日の光は克服したと言ったはずだ。今の私に、弱点などない」
その言葉に、モリガンは肩を揺らして笑う。
「あら。じゃあ、ここは?」
すいと伸ばした指が、デミトリの下半身に触れる。
モリガンにあらかた絞りつくされたその部分は、今はまるで反応しなかった。
「……品の無い女だ」
昨夜の醜態を思い出し、デミトリは顔を顰める。
「その品の無い女を、夢中で抱いてたのは誰?」
素早く切り替えされ、彼は言葉に詰まった。
実際、彼は狂わせられていたのだ。モリガンの豊かで美しい肉体に……そしてそれ以上に、彼女が抱える、深い孤独と闇に。
「あの程度で、私を満足させられると思って?今度会う時は、もう少し使えるようにしていらっしゃい」
にっこり笑うと、モリガンは背中の翼を広げた。夥しい数の蝙蝠たちが、彼女を慕うようにその周囲に纏わりつく。
昨夜逃がしたはずの蝙蝠も、懲りずにその中にいた。
虐げられながらも彼女を崇拝せずにはいられない、その気持ちが今なら判るような気がする。
「じゃあね」
片目を瞑り、彼女は床を蹴った。
白み始めた空に、その姿は吸い込まれ、やがて瞬く間に小さくなって消えていった。
「生意気な事を………」
闇の女が飛び去った方角を見つめて、デミトリは小さく呟く。
しかしその声には、どこか安心したような、甘い響きが含まれていたのだった。
END
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Author:相賀譲治